「名前を呼んでも知らんぷり…」「目は合ってるのに来ない…」
そんな柴犬のマイペースさに困った経験はありませんか?
実は柴犬が呼んでも来ないのには、ちゃんと理由があります。
本記事では、柴犬特有の性格や行動心理をふまえて、呼んでも来ない原因とその対処法について解説します。
柴犬の「呼んでも来ない」は珍しくない

まず大前提として、柴犬はもともと呼び戻しが難しい犬種だと言われています。
これはしつけ不足や愛情が足りないからではありません。
柴犬には、他の犬種と比べて独立心が非常に強いという性質があります。
元々は猟犬として人からある程度離れて活動することが多く、常に飼い主の指示を待つような犬種ではありませんでした。
そのため、「呼ばれたから即座に来る」という従順なタイプとは少し異なります。
たとえ飼い主のことが大好きでも、「今は行かなくてもいいかな」と自分で判断する傾向が強いのです。

柴犬が来ない5つの主な理由

では、実際に柴犬が呼んでも来ないとき、何が原因になっているのでしょうか?
よくある理由を5つにまとめました。
呼ばれる理由が分からない
犬は「呼ばれたら行くもの」というルールを最初から理解しているわけではありません。
特に柴犬は目的のない指示には応じない傾向があります。
「名前を呼んだだけで何もしてくれない」「行っても楽しくない」経験が積み重なると、呼ばれても無視するようになります。
過去に嫌なことがあった
呼ばれて行ったら怒られた、爪を切られた、お風呂に入れられた…
そういったネガティブな経験があると、柴犬はすぐに覚えてしまいます。
「呼ばれる=嫌なこと」と関連づけてしまうと、今後も来なくなるのは当然です。
今はそれどころじゃない
散歩中に匂いを嗅いでいる、気になる犬がいる、お気に入りの場所に夢中…。
そんなときに呼ばれても、柴犬は「後でいいや」と判断します。
周囲に刺激が多い場所では、呼び戻しの成功率は大きく下がります。
信頼関係がまだ弱い
普段から一緒に遊んでいない、指示に一貫性がない、怒ってばかりいる…。
こういった関係だと、呼ばれても「行きたい」と思ってくれません。
柴犬は信頼できる人にだけ心を開く傾向が強く、普段の関係性がとても大切です。
そもそもしつけが不十分
呼び戻しは自然にできるものではなく、しっかりとトレーニングが必要です。
子犬の頃に練習していないと、成犬になってから呼んでも来ないのは当然と言えます。
また、一貫性のない教え方や、ご褒美を使わないトレーニングも、失敗の原因になります。

柴犬に効果的な呼び戻しのトレーニング方法

柴犬の性格に合った、現実的で効果のあるトレーニング方法を紹介します。
名前を呼ぶ=良いことがあると覚えさせる
呼ばれて行った先に必ずポジティブな経験を用意しましょう。
例えば、おやつをあげる・一緒に遊ぶ・優しく撫でるなど、「呼ばれると嬉しい」が定着すると、来る確率がぐっと上がります。
成功したらすぐに褒める
来てくれた瞬間にタイミングよく褒めましょう。
タイミングが遅れると、「何に対して褒められたのか」が犬には伝わりません。
「呼ばれて来た」行動に対して、すぐに反応してあげることが重要です。
段階的に環境を変えて練習する
最初は室内の静かな場所で練習し、徐々に公園や散歩中など、刺激の多い場所へステップアップします。
一気に難しい環境で呼び戻しをしようとしても、うまくいきません。
小さな成功体験を積み重ねていくことがポイントです。
無理に連れ戻さない
呼び戻しに成功したあと、すぐにリードをつけて帰ってしまうと、「来たら自由が終わる」と覚えてしまいます。
たまには呼び戻してもすぐ解放してあげたり、遊びを継続させることで、来ること自体に抵抗を持たなくなります。
怒らない、叱らない
来なかったときに怒ってしまうと、次からますます来なくなります。
呼び戻しは「自発的に来てほしい」行動なので、強制や叱責は逆効果です。
失敗しても冷静に、次の成功を目指しましょう。
飼い主の心構えも大切
柴犬は頑固でマイペースな一面がある一方、飼い主に深い信頼を寄せる犬でもあります。
呼んでも来ないのは「飼い主が嫌い」なのではなく、「今は来たくない」と考えているだけ。
こちらが一方的に「すぐ来るべき」と思うのではなく、犬の気持ちを尊重しながら関係を築くことが何より大切です。
柴犬にとって「来る理由」があれば、きちんと応えてくれるようになります。
そのためには、日頃からの関わり方や信頼関係の積み重ねがカギとなります。
まとめ
柴犬が呼んでも来ないのは、性格的な特徴やこれまでの経験が関係しています。
ただし、あきらめる必要はありません。
名前を呼ぶこと=良いことがある、としっかり学習させることで、呼び戻しは少しずつ成功していきます。
柴犬は独立心が強く、理由がなければ来ない
呼び戻しにはトレーニングと信頼関係が不可欠
叱らず、褒めることで「来たくなる」環境を作ることが大切
愛犬との絆を深めるためにも、焦らず気長に取り組んでいきましょう。
「来てくれる」その瞬間が、きっともっと愛おしくなるはずです。