「柴犬を飼いたいけど、ペットショップで見たら意外と安くて驚いた」
「ブリーダーや譲渡会では無料や格安で出ている柴犬もいるけど、理由があるの?」
こんなふうに感じたことはありませんか?
柴犬は日本の伝統的な犬種でありながら、販売価格が比較的安く設定されているケースが多く見られます。中には数万円以下で取引されている個体もあり、他の犬種と比べてもその価格差は歴然です。しかし、「安いからお得」と考える前に、その背景や理由を知っておくことはとても大切です。
この記事では、柴犬が安く販売されている主な理由と、購入時に気をつけたいポイントについて詳しく解説します。
柴犬が安いって?価格帯の目安は?

まずは、一般的な柴犬の価格帯を見てみましょう。
ペットショップでの販売価格はおおよそ10万円から30万円前後が中心です。血統や月齢、毛色、健康状態によって幅はありますが、同じ中型犬であるフレンチブルドッグやコーギーと比べると比較的安価に感じられることが多いです。
一方で、ブリーダー直販や里親募集、譲渡会などでは無料や数万円という価格で譲り受けることも可能です。では、なぜここまで差が出るのでしょうか。
柴犬の価格が安い理由とは

飼育頭数が多い
柴犬は日本国内で飼育されている犬種の中でも非常に人気が高く、繁殖頭数も多いため、供給過多になりがちです。犬の価格は需要と供給のバランスで決まるため、需要よりも供給が多ければ価格は下がります。
繁殖が比較的容易
他の犬種に比べて、柴犬は健康的で自然繁殖もしやすい傾向があります。出産時のトラブルも少なく、多産なケースも多いため、ブリーダーにとってはコストをかけずに育てやすい犬種です。その結果、販売価格が低く抑えられる傾向があります。
豆柴などの人気により通常の柴犬が敬遠されるケース
最近では小型化された豆柴やミックス犬の人気が高まっており、通常の中型サイズの柴犬が選ばれにくくなっているという現状があります。見た目の可愛らしさや飼いやすさを重視する人にとっては、小さな犬のほうが好まれるため、標準的な柴犬が売れ残ってしまうこともあります。
柴犬特有の性格への理解不足
柴犬は忠実で賢い反面、独立心が強く頑固な一面もあります。初心者にはしつけが難しいと感じられることもあり、思っていたよりも扱いにくいという理由で手放されるケースも少なくありません。こういった犬たちが里親募集や保護団体に出され、結果的に安く譲渡される原因になります。
売れ残りによる値下げ
ペットショップでは、子犬の可愛さがピークを過ぎると売れにくくなり、価格を下げて販売されることがあります。特に月齢が進んでしまった柴犬は、サイズが中途半端になり、見た目の可愛さもやや薄れてしまうため、価格が一気に下がることがあります。
販売側の都合による値下げ
季節によってはペットショップの在庫調整やセールなどで価格が安くなることがあります。特に春や秋は子犬の流通量が増えるため、売れ残りを防ぐ目的で価格を下げるケースもあります。
柴犬を安く購入するリスクとは

価格が安いからといって、すぐに飛びついてしまうのは危険です。以下のようなリスクを理解しておく必要があります。
健康面の不安
格安で販売されている柴犬は、ワクチン接種がされていなかったり、遺伝性疾患のスクリーニングがされていない場合があります。後から病気が発覚し、高額な医療費がかかる可能性もあります。
社会性やしつけに問題がある場合
適切な時期に親犬や兄弟犬との関わりがなかった柴犬は、社会性が育たず、人や犬に対して攻撃的になってしまうこともあります。しつけや環境づくりに手間がかかるケースもあるため、注意が必要です。
信頼できない販売元の存在
悪質な繁殖業者やモラルのないペットショップが、コストを削減するために劣悪な環境で柴犬を繁殖させ、安価で販売している場合もあります。このような場所から購入すると、結果的に犬にも飼い主にも不幸が訪れる可能性があります。

柴犬が安くても良い出会いはある
もちろん、すべての安価な柴犬が問題を抱えているわけではありません。保護団体や信頼できるブリーダーから譲り受けることで、安価でも健康で愛情深い柴犬と出会えることは十分にあります。
また、ペットショップで値下げされている柴犬でも、店員がきちんと健康管理をしており、性格面でも問題がない場合もあります。大切なのは「なぜこの子は安いのか?」という背景を知ることです。
購入を検討する際は、必ず以下の点をチェックしましょう。
・ワクチン接種や健康診断の有無
・性格や行動の特徴についての説明があるか
・親犬や飼育環境の情報が開示されているか
・購入後のサポート体制があるか

まとめ
柴犬が安く販売されている背景には、人気犬種ゆえの供給過多や繁殖のしやすさ、サイズや性格に対する需要の偏りなど、さまざまな理由があります。しかし、価格が安いからといってすべての柴犬が問題を抱えているわけではありません。反対に、高額で販売されていても健康や性格面でトラブルを抱えていることもあります。
大切なのは、価格に惑わされず、犬そのものをしっかり見て判断することです。そして、購入元が信頼できるか、しっかりとした情報提供があるかを確認することが、良い出会いにつながります。
柴犬を家族に迎えることは、10年以上にわたる責任ある選択です。安さに惹かれる前に、その子の背景や将来をしっかり考えたうえで、最良のパートナーを見つけてください。