柴犬は見た目の愛らしさから人気の高い犬種ですが、「思ったよりなつかない」「全然触らせてくれない」と悩む飼い主さんも多いのが現実です。
特に初めて柴犬を飼った方は、「自分のことを嫌っているのかも?」と不安になることもあるでしょう。
しかし、柴犬がなつかない理由は必ずしも「嫌われているから」ではありません。柴犬特有の性格や習性、接し方のミスマッチが原因であることがほとんどです。
本記事では、柴犬がなつかないと感じる主な理由と、少しずつ距離を縮めていくための具体的な対処法について解説します。
柴犬がなつかないのは普通?犬種の特性を理解しよう

柴犬が「なつかない」「そっけない」と感じるのは、実はごく自然なことです。なぜなら、柴犬は日本犬特有の性格と本能を強く残している犬種だからです。
柴犬は、もともと猟犬として活躍してきた歴史があり、自立心が非常に強く、警戒心も鋭い性格をしています。そのため、誰にでもすぐ心を開くタイプではなく、「自分が信頼した相手にだけ心を許す」傾向があります。
これは裏を返せば、しっかり信頼関係を築けばとても忠実なパートナーになってくれるということです。ただし、それには「時間」と「適切な距離感」が必要になります。
また、柴犬は感情をストレートに表現することが少ないため、「甘えてくる」「ベタベタ懐く」といったわかりやすい行動が見られにくいのも特徴です。
そのため、「なついてないのでは?」と誤解されることも多いのですが、実際は控えめに信頼を伝えてくれていることもあるのです。
たとえば、
・少し離れたところに座ってこちらを見ている
・名前を呼ぶとしっぽを振る
・寝ているときに背中を向けてくる
といった行動は、柴犬なりの「信頼のサイン」です。甘え方が目立たないだけで、心の中では少しずつ距離を縮めてくれているかもしれません。
つまり、「柴犬がすぐになつかない」のは犬種の性格としてごく自然なことであり、失敗でも飼い主のせいでもないのです。
柴犬の特性を理解し、正しい期待値を持つことが、これからの関係を良くしていく第一歩です。

柴犬がなつかない主な理由とは?

信頼関係がまだ築けていない
柴犬はもともと用心深い性格をしているため、時間をかけて関係性を築く必要があります。迎えてから数週間、数ヶ月ではまだ信頼が十分に育っていない可能性が高いです。
特に保護犬やブリーダーから譲り受けた柴犬は、過去の経験によって警戒心が強まっている場合があります。まずは焦らず、存在に慣れてもらうところからスタートしましょう。
触られたくない場所がある
柴犬の中には、体の特定の部位を触られるのを極端に嫌う子もいます。急に頭を撫でたり、抱き上げたりすることは、柴犬にとって強いストレスになることがあります。
犬にも個体差がありますので、触られるのが苦手な箇所は無理に触らず、少しずつスキンシップの範囲を広げていくことが大切です。
関わり方に一貫性がない
柴犬は飼い主の態度や感情の変化に敏感な犬種です。褒めたり叱ったりする基準が日によって違っていたり、言葉に一貫性がなかったりすると、不信感を抱かれることがあります。
信頼を得るためには、「いつも同じ対応をする」「約束を守る」ことが非常に重要です。言葉だけでなく、行動の一致も意識しましょう。
無理に距離を詰めすぎている
「早く仲良くなりたい」という気持ちから、つい構いすぎてしまうこともあるかもしれません。しかし、柴犬にとって過度なスキンシップや目線の圧力は警戒心を高める原因になります。
ときにはそっとしておくことも、信頼関係を築くうえでは効果的です。柴犬が自分から近づいてくるまで待つ姿勢も大切にしましょう。

柴犬になついてもらうためにできること

まずは「安心できる存在」になる
柴犬との関係を築くうえで、最も大切なのは「この人は安全だ」と思ってもらうことです。毎日決まった時間にご飯をあげる、静かに話しかける、無理に触らないなど、小さな積み重ねが信頼に変わっていきます。
また、柴犬がリラックスしている時はあまり構わず、「安心していられる空間」を守ってあげましょう。
アイコンタクトを意識しよう
アイコンタクトは柴犬との信頼を深めるうえで効果的です。ただし、じっと見つめ続けるのはNG。一瞬目が合って、すぐにふっとそらすくらいが理想です。
アイコンタクトを交えながら名前を呼んだり、声をかけたりすることで、「この人は信頼できる」と感じてくれるようになります。
ご褒美を活用する
柴犬は頭が良く、食べ物への興味も強い傾向があります。信頼関係を築くためにはおやつや好きなフードを上手に使うのもおすすめです。
ただし、無条件に与えるのではなく、「名前を呼んだら来てくれた」「そっと体を触らせてくれた」など、望ましい行動に対してタイミングよくご褒美を与えることがポイントです。

まとめ
柴犬がなつかない理由は、単なる「性格の問題」ではなく、接し方や環境によるものが多く含まれています。
焦らず、無理せず、少しずつ信頼を積み重ねていくことが大切です。
・まずは「安心感」を与えること
・スキンシップは無理強いしない
・一貫した態度で接する
・ご褒美やアイコンタクトを活用する
・柴犬のペースを尊重する
時間はかかるかもしれませんが、信頼は必ず育ちます。柴犬との絆を深める過程も、飼い主としての大切な経験です。日々の小さなコミュニケーションを大切にしながら、一歩ずつ距離を縮めていきましょう。